2010年04月26日

『窓際のヘレン』

『窓際のヘレン』


彼女はいつも微笑んでいる。
遠くを見つめるかすんだエメラルド色の瞳の奥の記憶の中にたたずむ彼女自身を抱きしめながら。

私の顔を覚えてからは、部屋に入ると大きくくぼんだ目をますます丸く見開いて両手を伸ばす。よく来てくれたわねという合図のハグをするために。

そして、「アイラブユー」といって深いしわとチャーミングなシミで覆われた彼女の顔を近づけてギュッと生身の人間の肌の感触を確かめるように、私の頬にキスをする。

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2009年10月05日

『ゲーム』

『ゲーム』

〜はじまり〜

ボクは、なんだかとってもワクワクしてきた。

だって、ついにすべての真実を
手に入れてしまったかのような気になって
すべてがとっても楽しいゲームのように思えてきたから。

さっきまでのもやもやが嘘みたいだ。



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2008年11月20日

『オータムの香り』

『オータムの香り』樋口りさ


その日、いつものカフェテリアで
カプチーノをゆっくり飲んだ後、


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2008年07月24日

『ある土曜の昼下がり』

『ある土曜の昼下がり』


今日も雲ひとつない澄み渡った空だった。

少し涼しくなった風の中

陽だまりを楽しみに

河原まで自転車を走らせてみた。

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2008年07月11日

『あの夏の日(仮)』

「ねえ、どうして?」

って、君は僕に聞いたんだ。

ごめん、僕には答えられないよ・・・。


「ねえ、なんで?」

って、何度も何度も君は聞いたね。



蒸し暑さが一段落して
静けさが妙に肌に刺さって
果てしなく続くように感じられた
あの夜。


君の涙がただ虚しさを
僕の胸の中の空間に押しやって
どうしたらよいのか分からずに
時間だけが過ぎていった。


もし、この世に神がいるならば
なぜこんな試練を与えるのかと
恨むことができたのに、と

君は言った。


自分の無力さに、自分の不甲斐無さに
僕は気が狂いそうになるほど
心が悲鳴をあげていた。


あの時、僕は誓ったんだ。

自分自身に。

そして、存在しないかもしれない
神に。


僕は必ず君を守ってみせるって。



(続く・・・)





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2008年05月18日

『憧れの人』

〜プチストーリー〜

『憧れの人』


I君へ、

この前はありがとう。
なんだかとっても嬉しかったよ。

憧れのマドンナだなんてなかなか直接言われたことないしね。(笑)
もう10年以上もの間ずっと友達でいてくれて、こんなに弱さもカッコ悪さも含めた自分自身を自然とさらけ出せる相手(少なくとも異性の友人)は、そうはいないもので。

だからI君は、私にとって、本当にかけがえのない貴重で大切な人なのです。
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2008年01月09日

『続・Kより』By 樋口りさ

『続・Kより』By 樋口りさ


Mちゃん、


また返信が遅くなっちゃったね。ゴメン。

子育ては想像以上に大変だけど、楽しんでます。
(赤ちゃんって、毎日ただ寝て起きて泣いたり笑ったりしているだけなのに、
いるだけで周りの大人たちを幸せにしてくれるから不思議だよね。)

この前は、勝手にいろいろ書いたけど、少しでも元気になってくれたようで良かった。

「素敵な男性はみんな結婚してる」って、Mちゃんは言うけど
支えてくれる女性(パートナー)がいる男って、余裕が出てくるから
魅力的に見えるんじゃないかな。結婚している僕が言うのもなんだけどね。


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2008年01月07日

『Kより』By 樋口りさ

オンライン・ストーリー

〜1通のメールから始まるプチ・ストーリー〜


『Kより』 By 樋口りさ


Mちゃん、

この内容、この間すぐに返信書いたんだけど、途中で赤ん坊に泣かれて
中断して、そのまま送信できていなかったみたい。 ゴメン。

こちらは皆元気でやってます。
ありがとう。

MちゃんとAとの事、彼から直接、少し前に聞きました。 

男同士だから詳しい話は殆どしないし、彼側の話を聞くだけで、
Mちゃん側の事は一切聞いていないけど、随分後悔していたみたいだよ。 

カップルの事はよくわからないけど、一般的に男は、
(特に僕等のように少しの野心と馬鹿なプライドのあるような分野の人間は)
イメージしていた自分像と現実の自分とのギャップに苦しむんだよね。 

つまり、仕事が上手くいっていないと、どうにもならなくなるんだ。 

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2007年12月12日

『29th Christmas』By 樋口りさ


071213_2029~01.jpgオンライン・プチストーリー 〜クリスマス編〜

『29th Christmas』By 樋口りさ

街は夜のイルミネーションが綺麗に色づくこの季節。

ホテルの中のこじんまりした専門店で
シガーケースを買ったの。

「シガレット(煙草)は吸わないけれど
 シガー(葉巻)を集めるのは好き」

と言った、あなたの横顔を思い浮かべながら。

星になったあなたのためのプレゼントではなく
まだ見ぬ誰かのための贈り物。

私ももう29になるのよ。
そろそろあなたの抜け殻から解放されて
素敵な人と巡り会ってもいい頃だと思わない?

あの頃よりだいぶ大人になったんだから。
あなたは「きみはまだまだ子供だよ」って
笑うかもしれないけれど。

きっと近いうちに目が覚めるほどの素敵な人に出会って
とろけるほどの恋に落ちるの。

これは、まだ見ぬその人へのクリスマスプレゼント。

深いネイビーブルーの箱に落ち着いたゴールドのリボン。
まるであなたへのプレゼントだけれど。

嫉妬なんてしないでね。
あなたに負けないくらいとびっきりの素敵な人をみつけて
いつかきちんと紹介するから。

いつも見守っていてくれてありがとう。

星が綺麗な夜に。
今年も素敵なクリスマスを☆

Wishing you a very merry christmas!


2007(c)Lisa Higuchi

樋口りさの大人氣メールマガジン
『上昇運はこうして作る!ワクワク人生でハッピーに♪』

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2007年09月16日

『ちいさなおじさん』By 樋口りさ

『ちいさなおじさん』 By 樋口りさ


「あんまり大笑いすると、小さなおじさんがびっくりして顔を出すわよ」

お気に入りのカジュアルなワンピースを身にまといながら
彼女が言ったジョークに、いつになく僕は大笑いした。

「ちいさなおじさん、って何だい?」

ゆっくり起きた週末の朝は、
海辺近くのカフェで一緒にブランチをとるのが
僕たちのスタイルになっていた。

ビーズのネックレスを首の後ろで留めながら
きみはいたずらっ子のような顔で言った。

「知らないの?あなたの耳の中に住んでいる
 小さなおじさんのことよ。」

『ちいさなおじさん』続きを読む
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『青く光る石』By 樋口りさ

『青く光る石』By 樋口りさ

きらりと赤い光を放ちながら輝く白い石があった。 
ある村で何年も大切に守られてきた石。

その石が突然、青い光を放つようになった。

ある者は不気味だと言い、
ある者は美しいと絶賛し、
またある者はこれはきっとなにかの兆候だと予言した。

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2007年09月15日

『ミドリガメのゴロウ』 By 樋口りさ

樋口りさのオンライン・プチ・ストーリー(小さな物語)


『ミドリガメのゴロウ』 By 樋口りさ

僕はいつここにきたのか
記憶にありません。

でもきがついた時から
ずっとここでくらしているんです。

今の生活に 満足していますよ。

食べ物はあるし
遊び場もあるし
なんといっても
ここは 安全ですからね。

ほら あそこにいる ミサヨちゃんが
毎日食べ物を持ってきてくれるんです。

水が汚れたらミサヨちゃんが
取り替えてくれます。

ありがたいことですよね。

いつも僕のことを気にかけてくれている
それが伝わってきますから。

毎日四角い透明なケースのなかで
生活している僕です。

たいそう退屈な日々だと
思われるかもしれませんね。

でも楽しみだってあるんです。

たとえばね
ガラスについた水滴を数える
これけっこう大変な作業なんです。

ほら今日も 水滴がついているでしょう
あれを一つずつ 数えるんです。

そのうち眠くなってきますから
そうしたら お昼寝タイムです。

ここではいつ眠っても
いつ起きても 誰も何も言いませんからね。
僕は自由を謳歌しているんです。

『ミドリガメのゴロウ』続きを読む
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2007年09月14日

『赤い花びらと黄色い花びら』 By 樋口りさ

樋口りさのオンライン・プチ・ストーリー(小さな物語)


『赤い花びらと黄色い花びら』 By 樋口りさ


赤い花びらと 黄色い花びらが
なにやら ひそひそと 小話をしていました

赤い花びらは 黄色い花びらに言いました
 「わたしは 明日から 黄色い花びらになりたいわ
  だってわたしは いままでずっと 赤い花びらだったから」

黄色い花びらは 赤い花びらに言いました
 「わたしも 明日から 赤い花びらになりたいわ
  一度でいいから 赤い花びらに なってみたかったの」


「赤い花びらと黄色い花びら」続きを読む
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『銀色のボート』By 樋口りさ

樋口りさのオンライン・プチ小説(小さな物語)

『銀色のボート』 By 樋口りさ

遥か彼方の 広い海に浮かぶ 
一隻の銀色のボートがあった

そのボートには ある少年が たった一人で乗っていた
その少年は 一人で何年も 航海をしていた

目には見えない 宝物を探しに 
嵐にもまれて 果てしない海を

来る日も来る日も 波に揺られて 
少年は その銀色のボートに乗って
あてもない 旅を続けていた

あるとき1羽の 鳥がやってきて
少年に聞いたのさ

「銀色のボート」続きはこちら
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2007年09月10日

ネット小説『宇宙人の侵略!!宇宙人がやってきた!』

おすすめのネット小説です☆


先日、りさのお友達が書いた
面白いストーリーを読みました。

深い気付きがあるのと同時に、
かわいらしい宇宙人と主人公でんの
やりとりが楽しいのです。

『宇宙人の侵略!!宇宙人がやってきた!』

今なら無料でPDFをダウンロードできます。

お見逃しなく!!
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2007年08月27日

ネット小説『旦那様は宇宙人』〜2〜

樋口りさの
おすすめオンライン・ネット小説です。


『旦那様は宇宙人』〜1〜 


『旦那様は宇宙人』  文:樋口りさ



           〜2〜


まち子が、夫の”秘密”にうすうす氣がついてから、
はや一ヶ月が過ぎようとしていた。


この一ヶ月の間、夫の動向をさりげなく、
しかし注意深く見守っていたまち子は、
やはり夫は宇宙人であることに確信を深めるばかりだった。


夫宛に送られてくる郵便物には、
まち子にとっては理解不能な書籍やオーディオCDが
詰まっていることが多い。


地球上の世界的権威と呼ばれる博士が書いた難解な論文や、
図形パズルのようなゲーム、瞑想中に聴くCDや、
エネルギーを高めてくれるという光り輝く石のようなものまで。

送られてきた箱を夫が開けるたびに、
まち子は内心、今度は何が入っているのだろうと
ワクワクしながら見守っていた。


約1ヶ月に一度、こちらも定期的に送られてくる
箱に入った健康食品のようなサプリメントのようなものがある。

夫は大事に毎日飲んでいるが、
きっとあれは宇宙人の夫が地球上の食べ物では補いきれない
宇宙人にとって不可欠な栄養素を摂るためのものなであろう。

まち子も夫に勧められて、最近では
毎日一緒に飲むようになった。

そのせいか、だんだんと夫の考えが
手に取るように理解でき始めてきた。

もしかしたら、あれはテレパシーや
宇宙と交信をするときの感度を高めるための
栄養素なのかもしれない。


そして、郵便物で他にも摩訶不思議なものがある。

不定期で送られてくる、ニュースレターのようなものだ。

一見普通の封筒に入った、なにかの顧客サービスの
ためのニュースレターのように見えるが、

内容は暗号のような読解不能な文字や記号が並んだもので、
まち子にとっては意味不明なものだった。


夫は、これが送られてくるたびに、
郵便受けからもどるやいなや、嬉しそうに
封筒を開封して穴があくほどそれぞれのページを見つめる。

その後は、大切に書斎のファイルに綴じている。

きっとあれは、もともと住んでいた星の
ニュースかなにかだろうか。


自宅に送られてくる不思議な郵便のどれもが、
全てを裏付ける確固たる証拠のように思えた。



まち子は洗い終えた洗濯物をかごに移すと、
リズムよく階段をかけ上った。


『旦那様は宇宙人』〜2〜 続きはこちら
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ネット小説『旦那様は宇宙人』〜1〜





『旦那様は宇宙人』   文:樋口りさ


   〜1〜


そもそもの発端は、
友人K子の一言からだった。


「なんか、旦那さんって宇宙人みたいだよね。。」


歯に衣着せぬ、K子らしい何気ない一言。


なにか普通ではないオーラを発する、
つかみ所のない人、という
K子が感じた夫の印象を素直に表したのであろう。


その一言が、まち子の頭から離れなくなっていた。



確かに、夫は普通の人とはなにかが違うと
まち子は感じていた。


「宇宙人か。。。」


声に出してみると、なんだか現実味が帯びてくるようで、
不思議な感覚に襲われた。


言われてみれば、まち子には思い当たる節がいくつもあった。


『旦那様は宇宙人』〜1〜 続きはこちら
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